埋葬の多様化や建墓数の減少傾向が加速するなか、その要因の一つとして施工業者の不適切とされる施工や廃棄物の不法投棄といったモラルを欠く行為が考えられます。
「廃材の処分費を払ったのだから良い。」「支給されたボンドを使ったから良い。」という低意識ではなく、全ての行程において「適切」とされる内容を徹底していく必要性があると考えております。墓石施工において法的な基準が定められていない今こそ、私達施工業者が事実を真摯に受け止め、法令遵守のもとで改善を進めていくことが必要だと考えます。
このことは「お墓参りという日本の伝統文化を守る。」という目的において最も重要な意識であり建墓という業務に携わるものとしての責任であると考えます。
また前述の内容に取り組むために必要とされる人材確保という面でも検討が必要です。社会保障や福利厚生といった体制の不備によって「職人」といわれる技術者の減少も業界にとって大きな問題のひとつです。国土交通省の通達により平成29年度には社会保険への加入や適切な福利厚生の確保が義務付けされると考えられます。これは事業所における支出の増加というだけではなく業界としての資質を問われることであると考えます。
適切な労働環境。適切な施工。適切な業務が行われることにより「健全な業界」の実現が可能になると考えます。
当協会が「聖域で働くもの」の手本となるよう活動し、率先して問題解決に取り組むことをお約束いたします。
皆様のご賛同とご協力が必要です。当協会へのお力添えと入会のご検討の程、宜しくお願い申し上げます。
一般社団法人全国石材施工協会
代表理事 井比宏育